first kaleidscope / Garnet Crow

first kaleidscope

first kaleidscope

ああ、もうこんなに時が過ぎたのかと思うことが多くなった。くるり、とか。同時期にメジャーデビューしたキリンジと共に新世代のアーティストともてはやされていたのが1998年のこと。あれが7年前か、というのはあまり実感が湧かないというか、中学生だった自分というものがそろそろ想像出来なくなってきている。

Garnet Crowをよく聴いていた高校時代の記憶というのもまた薄れていきつつある。ちょうど高校を卒業する頃−確か「flying」というシングルが発売された前後−にはGarnet Crowの新譜に興味を持てなくなっていたのだけど、それまではシングルもまめに購入していたんだよなあ…。

『first kaleidscope』はGarnet Crowがメジャーデビューする以前のミニアルバムで、後にリメイク&シングルカットされる「君の家に着くまでずっと走ってゆく」をはじめとして6曲どれもが切ない名曲。デビュー直後だとは思えないぐらい完成された音を響かせているのだけど、しかし青さの残る曲もあり、それがかえってGarnet Crowの魅力を浮き彫りにしていたりもする。僕にとってのGarnet Crowの魅力はというと、なんといってもフォーキーなところで、ジム・オルークの『Eureka』のように繊細なギターで始まる「君の家に着くまでずっと走ってゆく」はアコースティックでフォーキーなグルーヴ(レビューするのが面倒になってきたらカタカナばかりになってしまった)に素朴なヴォーカルがのっかる名曲。ローラ・アランみたい。

Laura Allan

Laura Allan

同じくフォーキーな、しかしより練られたアレンジの「二人のロケット」も好きだし、タイトルとは逆に深い海の底に沈み込んでいくかのような静謐さをたたえた「Sky」も良い。その両曲の良い部分を併せ持ったような「A Crown」は、個人的にはGarnet Crowのベストトラック。この疾走感や郷愁というのははやがて「Mysterious Eyes」で結実するのだけど、それはまた別の機会に。