Flower With No Color / Yoshimi & Yuka

Flower With No Color

Flower With No Color

これはクラブ好き、エレクトロニカ好きの人にもらったアルバム。他にJazztronikCibo MattoROVOレイ・ハラカミ、ゾンガミンなどのアルバムを録音してもらっていたのですが、もらって1年近くそのままになっていました。

こういう音楽をまともに聴くのはブライアン・イーノ以来です。Cibo Mattoの本田ゆかとボアダムスのYoshimi P-Weのユニットによる、アンビエントなアルバム『Flower With No Color』。鳥や動物の鳴き声や口笛、人間の声などがトランペットや電子音と絡み合う、そういった音が延々と続きます。雅楽的なところもありますし、呪術的な印象を受ける部分もあります。アンビエント環境音楽)という言葉通り、自然界に流れている音をそのまま再構築したような音なのですが、あまり現代を感じさせないところがポイントかもしれません。遠い過去のどこかに、あるいは遠い宇宙のどこかにこういう音が響いている環境が存在するのではないかと思わせる作りが、リスナーをしばし世の喧噪から引き離してくれます。ハイライトは27分を越える大作「Mow Deck In Eye」。自分と同化してゆくようなこの音に耳を傾けていると、27分という時間すら短く感じてしまうことでしょう。