Beat Crusaders / Sexcite

人気があるみたいなので流されて聴いてみました。本当にぼくは思いこみが激しいので、みんながほめていなかったらたぶん聴いていませんでした。どういう思いこみかというと「クルセイダーズ(Crusaders)って単語は嫌い」という思いこみです。ソウルクルセイダーズはもちろんフォークルも名前は苦手です(音楽は好き)。思想的に嫌いなのではなくて、言葉の響きや言葉の持つ雰囲気が苦手なんですよね。ちなみに好きな言葉は…「Yonder」。

But soft , what light through yonder window breaks?

とか

Way over yonder, that's where I'm bound

とか、「Yonder」という言葉(単語)は落ち着きと品の良さが素晴らしい…って思い切り余談ですね。前者は「ロミオとジュリエット」、後者はキャロル・キングです。(「Yonder」もそうですが、シェイクスピアの英語は本当に印象的なものが多いですね)

そういうわけで初めて聴きました。余計な装飾を施して曲を引き延ばしたりせず、短い時間の中に前のめりのキャッチーなメロディーを詰め込むセンス、懐の深さ、低くソリッドなヴォーカル、シンプルかつストレートなビートに、思わずThe Jamが思い浮かびます。表層のみではなくすべてを捉えた上で考えてみても、やはりThe Jam。ただ本人たちやファンの方々の中には過去のバンドと比べられることに対して不快な思いを抱く人もいるかもしれないのでその言葉にこだわるつもりはないのですが、まあただ単純にThe Jamに似てるじゃんということでこう書いたのではないということはご理解ください。

アップビートでノリの良い曲が並び、人気があるというのも頷けます。ただ、これらの曲は非常にライブ映えのする曲だと思うので、そのことを考えると多少の物足りなさというか満たされない気持ちは残るかもしれません。アルバムの出来が良くないとかいう問題ではなく、とりあえず一度ライブを見てみたいと思わせるアルバムだと言うことです。どの曲がと選び出すのはなかなか難しいですが、「Eyes In The Sky」は部屋でじっと耳を傾けても十分に満たされる、聴く者の焦燥をかき立てる素晴らしいロックナンバー。ラップを交えた遊び心が楽しい「Arakism」や、アコギの生み出すグルーヴが疾走感のある一本調子で激しい曲調に深みを添えている「Imagine?」など素晴らしい曲が揃っていますが、基本的には野外にて大勢で飛び跳ねながら聴きたいものが多いです。何にしても、最近のアルバムも聴いてみたいですね。