降神 / 降神

降神(おりがみ)

降神(おりがみ)

さながらどこか回路の壊れてしまったロボットのように、無機的なラップがとめどなくあふれる。このフロウはそういえばどこかロボットを思わせるところがあって、というのもそれは無機的なのに、ずっと聴いているとふと有機的な錯覚に陥ることがあるのです。無機と有機との境界があいまいになるそのフロウは、確かにぼく(ら)がロボットを眺めるときに得られる感覚に近い。あいまいなトラックに芯の通ったラップが映えて、そこで際だつリリックとその響きは、かっこいいというよりも美しいなとさえ思えます、ぼくのようなポップス志向の人間にとっては。

エレクトロニカなどが好きな人にも受けるだろう、というコメントをしている人が多くいて、確かに、このアルバムにおける浮遊感や無機から有機が生まれる歓びというのは、エレクトロニカ(ってのも曖昧でよく分からない言葉ですよね)と共通のキーワードとなっています。まあ、両者はまったく異なるベクトルを持っているような気がするのですが。