The Blue Herb / STILLING, STILL DREAMING

STILLING STILL DREAMING

STILLING STILL DREAMING

初めて聴いたときはちょっと苦手な感じがして、もうずっと聴いていなかったのですが、久々に聴いてみると意外と良いのです。ぼくの場合に限って言うのなら、やはり第一印象というのはまったくあてになりませんね。

極端に押し殺された攻撃性が緊張感溢れるトラックの裂け目からふと顔をのぞかせる快感。それぞれの曲はイメージの喚起力に優れていて、それは物語性のまったくない断片的なシーンなのですが、そうしたものが次々と頭を過ぎります。そういうふうなその部分だけではあまり意味のない断片が重なり集合していくうちに心の中に様々な思いが浮かびはじめ、やがてそれらがまとまって気付いたら素晴らしい体験として確かな形をとっている、という…。不安と緊張と衝動と静寂が現れては消えていく様子は、とても美しいですよ。美しいだけではないですが。