Phil Ochs / Tape from California

Tapes from California

Tapes from California

フィル・オクスのアルバムの中では比較的コマーシャルな…というよりはロック寄りのアルバムです。前作『Pleasures of the Harbor』と比べると良く言うとヴァラエティな、悪く言うと統一感に欠けるアルバムですが、こういうポップなフィル・オクスも嫌いではないです。タイトル曲にはヴァン・ダイク・パークスが参加していることもあってか、バーバンクサウンドのような色彩があります。従来のフォークにクラシックやジャズ、ロックの要素を取り込むというスタイルは前作でもきかれますが、「Half A Century High」や「The Harder They Fall」といったサイケデリック風味の曲をはじめ、悪くはないですがどこか異色でたまに思い出して聴くぐらい。オーケストレーションを多用したアルバムにあって、シンプルなギターによる「When in Rome」が13分を超える演奏時間も含めて浮いています。でも起伏の激しい演奏が素晴らしい曲で、お気に入りです。