God's Gonna Cut You Down

戦極」という格闘イベントを観てきました。ちょっと渋めの対戦カードでしたが、煽り用の映像でThe La'sの「There She Goes」が流れて気をよくし、菊田早苗(だったかな…)の入場曲は「Captain Jack」(オリジナルはビリー・ジョエルですが、誰が歌っていたのかは知りません)でさらに気分良く試合を見ていたら、トラビス・ビューの入場曲はJohnny Cashの「God's Gonna Cut You Down」で、大音量で聴くこの曲があまりにも素晴らしくて鳥肌が立ってしまいました。

「God's Gonna Cut You Down」は「Run On」というタイトルで、エルヴィスやMobyなども取り上げているトラディショナルソングです。ジョニー・キャッシュの歌は、遺作となった『American V: A Hundred Highways』というアルバムに収録されています。Larry Gatlinの(あるいはKris Kristoffersonの)「Help Me」の素晴らしいカバーで始まるこのアルバムの、ハイライトとも言える曲が「God's Gonna Cut You Down」で、そういえば「Run On」も「Help Me」もかつてのレーベルメイトであったエルヴィスが取り上げている曲というのも何事か考えさせられます。

プロデュースにあたったリック・ルービンの影響もあって、「God's Gonna Cut You Down」のトラックはヒップホップの色が濃いのですが、低音で凄みのあるキャッシュの歌がトラックに押されることなく緊張感あるせめぎ合いをみせています。宗教的な響きがあるのは「Help Me」も同じですが、弱さをさらけ出した「Help Me」とは対照的に、これぞキャッシュという凄みが、「God's Gonna Cut You Down」には感じられますね。