フリーボ / あこがれ

あこがれ

あこがれ

http://www.myspace.com/freebojp

フリーボの久々の新譜。キリンジが『ペイパードライヴァーズミュージック』を、くるりがシングル「東京」を出した1998年にフリーボも3枚目のアルバム『Smoking Blues』を出しています。そんなこともあって、ぼくにはキリンジくるり、フリーボは一体的にみているようなところがあって、フリーボのマイペースな活動や、世間一般の評価に歯がゆさを感じたりしたこともあったのですが、最近は活動をしているという話を聞くだけで安心したりします。

この『あこがれ』では、アコースティックギターの優しい音と吉田奈邦子さんの濃密でありながら安らぐ歌声が何の違和もなく融け合っています。最初「シグナル」を聴いた瞬間に、「すきまから」に縛られ続けていた思いが、ようやくとけたような気分になりました。(「すきまから」についてはid:colourless:20060529#p1などで何度か書いています)それだけで際立った魅力を持つ彼女の歌声が最も映えるのは、歌声と演奏とが融和するような瞬間だと思うので(演奏とのせめぎ合いで魅力を増すタイプではないように思います)、このアルバムの落ち着いたトーンはフリーボに相応しいのではないかと考えたりします。