西岡恭蔵 / ろっかばいまいべいびい

ろっかばいまいべいびい

ろっかばいまいべいびい

そういえば前に引越しをした時もこのアルバムを聴いていました。西岡恭蔵さんの歌は旅を歌ったものや、どこか遠くを思わせるような歌が多いからでしょうか。『ディランにて』も『街行き村行き』も大好きなアルバムですが、この『ろっかばいまいべいびい』から『ヨーソロ』、『ニューヨーク・トゥ・ジャマイカ』、『パラダイス・カフェ』・・・と続いていく旅絵巻もまた捨てがたいものがあります。

アルバムでいうと個人的には『ニューヨーク・トゥ・ジャマイカ』や『パラダイス・カフェ』の方が好きで、というのも6曲目のタイトル曲以降は細野晴臣との共同プロデュースなので、どうしても細野さん(もちろん大好きなミュージシャンの一人ではありますが…)のカラーが強すぎて落ち着きません。

それに比べると、1曲目から5曲目まで(おそらくレコードではここまでがA面)は雰囲気が全然違っていて、HUCKLE BUCKが編曲に関わっていることもあってか、鈴木茂の『BAND WAGON』に通ずるものがあると感じられます。「ジャマイカ・ラブ」「踊り子ルイーズ」「ファンキー・ドール」「めりけんジョージ」「あこがれのニューオルリンズ」とどの曲も少しずつカラーは違いますが、本当に素晴らしい曲ばかり。演奏も最高で、「ジャマイカ・ラブ」の地を這うような(というか波をかき分けるような)ドラムや旅愁を醸し出すフルート、「あこがれのニューオルリンズ」でのトランペットを中心としたファンキーな演奏(薗田憲一とデキシー・キングス?)は特に素晴らしいですね。