* 〜アスタリスク〜 / ORANGE RANGE

*~アスタリスク~

*~アスタリスク~

オレンジレンジについては思い入れも特にないのだけど、「Orange Boat」という曲はちょっと面白かった。ベラフォンテの歌唱で知られる「バナナ・ボート(原題は"Banana Boat Song(Day-O)")」のメロディーを流用したもので、タイトルが「オレンジ・ボート」なんてちょっと気が利いている。

ベラフォンテといえば昨今の(クラブでの)カリプソブームのおかげで『Jump up Calypso』などが再注目されているけれど、フォーク寄りの楽曲でも"Jamaica Farewell"のように分かりやすい曲も多い。肝心の"Banana Boat Song"はというと、ポップスに馴染んだ人ならばカート・ベッチャーが参加したカリフォルニアというグループのカバー(ここの中段で少し試聴できる)が聴きやすいのではないかな。このグループのアルバムでは前述の"Jamaica Farewell"もカバーされているし。

そんなオレンジレンジの新曲はちょっと懐かしさも感じさせるポップな曲に仕上がっている。小室哲哉全盛時代にはこういったダンスミュージックが氾濫していた気もするけど、最近はあまり耳にしない。こういう風にちょっと時代遅れの感のある音楽*1をうまく取り込んで自己流にアレンジするというのは、中途半端に音楽へのこだわりを持っていないからこそ出来ることだろうし*2、気持ちよければどんな音楽でも取り込む姿勢というのはある意味では痛快だ。

オレンジレンジについては彼らの音楽性やその手法についての批判と人間性への批判が混在してよく分からない状況になっている。その発言を見るにオレンジレンジのメンバーというのは友人にはなれそうもない、生理的には受け付けないタイプだなというのはあるけれど、そうした性格と音楽とは切り離して考える方が良いと思う。彼らのようなやり方は何も今に始まったことではないし、盗作問題を厳しく監視するような方向に持っていくとこれからの音楽シーンというのはかなりつまらなくなる気もする。(ちょっと違うけれど、サンプリングの規制が始まる前後のヒップホップ・シーンを考えてみるとか)ま、その辺は何ともよく分からないというか、あまり関わり合いになりたくないのが本音か。

カップリング曲も悪くないという話も聞くけれど、エアチェックした音源しかないのでそこはよく分からない。

*1:それともUnderworldのような海外のテクノポップに影響されたのかな?

*2:そうでないと「Orange Boat」なんて出来ないだろうし。