フジファブリック / フジファブリック

フジファブリック

フジファブリック

前にはてなダイアリーで書いていた時(このアルバムの発売当初)にこのアルバムのレビューをしたことがあって、その時にそのレビューを取り上げてくれた方のサイトを見直してみると、どうも僕は「奇妙な屈折感」という言葉を使ってレビューしていたみたいだ。そういえばそんなこと書いたかな…。

フジファブリックというのもやはりくるりなどと同様の叙情的なギターロックなのだけど、単純に「かっこいい!」と言ってしまうことには抵抗があって、どこか屈折したところ…簡単に言うと変なところがあるように感じられる。歪んでいる。変態的である。それがクセになる。でもそれは本当に変で歪んでいるのかというと、確かに粘り気のあるボーカルは(もちろん良い意味で)変なのだけど、それ以外はそんなに変だとも思わない。

ではなぜ奇妙な雰囲気を感じ取ってしまうのかというと、よく分からないけれど、フジファブリックは他のバンドに比べて多分に日本的だからかなと思ったりする。くるりアジカンなどは確実にジャパニーズロック(日本のバンドが演奏するロックという意味ではなくて、UKロックとかいった言葉に比する意味で)の確立に寄与しているけれど、彼らのサウンドは別に日本の情緒とかいわれるものを殊更に取り入れたわけではない。くるりアジカンを評して「和風」とするとちょっと違和感がある人が多いんじゃないだろうか。その点、フジファブリックの場合は、たとえそれが本来どのようなものなのか良く理解できていないとしても、何となく日本的な情緒が感じられたりする。そこに懐かしさを覚えつつも、欧米の音楽(及びその影響を受けた日本の音楽)に馴染んだ僕は、日本的なものですらエキゾチックだと捉えてしまう。それが「奇妙な屈折感」につながっているんだろうか。

フジファブリックは他と比べて変化球が多いバンドだ。ストレートにこちらまで届くことがほとんどない。機械的なメロディから突然感情剥き出しのメロディに変化したり、ジェットコースターのように激しい起伏があったりと、まるで落ち着くという言葉を知らないように思える。こんなに刺激的なバンド、今は他に見つかりそうにもない。

みたいなことを、発売直後に書いた。そのダイアリを閉鎖する際にログは保存したはずなのだけど、誤って削除してしまったらしく見つからないので正確な内容ではない。ちょっと花粉症の関係でレンタルショップに寄り道するのがつらいので、しばらくはこんな感じで。