あしたはうんと遠くへいこう / 角田光代

あしたはうんと遠くへいこう (角川文庫)

あしたはうんと遠くへいこう (角川文庫)

恋愛を繰り返しながら、幸せな「あした」に向かってゆく女性のお話。恋をして、安定した関係を築いてもすぐにそれを壊して新たな恋に走ってしまうという女性の性格は、幼稚だとも言えるのかもしれませんが、それ自体は理解できますし面白いと思いました。最後も無難にまとめているのかなと。佳作というか、下のような理由で佳作一歩手前という感じ。結構彼女の作品は読んだ気がしますが、結局『まどろむ夜のUFO』が一番好きだということを再確認しました。

ただ、女性の恋の遍歴を断片的に切り取る際に、その時代を象徴するような音楽が紹介されているのですが(マイブラ、ペイル・ファウンテンズ、ガンズ、オアシス他)、なんだかちょっとあざとさが感じ取られてしまいます。音楽がキーとなっているのは分かるのですが、何かもう少し別のやり方はなかったのかなと。