K.M.W / MURO

K.M.W

K.M.W

根強い人気を誇る日本のヒップホップ・アーティストMUROのメジャー第一弾。ヤフオクで、ぼくの探しているアルバムのキーワードに稀に彼の名前があります。よく併記されているキーワードは、「オルガンバー」。おおまかに言えば、まあそういうことです。いろんな意味で、渋谷を代表するアーティストですね。

それにしても、ミニアルバムという限定されたスペースの中でこれだけ変幻自在にトラックを作り上げ、さらには統一感も崩していないというのはすごいことです。ソウルを中心に、ジャズ、ラテン、ファンクなどへのアンテナの広さと深さがトラックに奥行きを持たせ、聴けば聴くほどやみつきになる中毒性を付与しています。粘っこくファンキーな「WEEKEND FUNK」(リップ・スライムの「Funkastic」なんかが好きなら絶対気に入りそう)やスリリングな女性のスキャットから始まりハッとさせるジャジーな「K.M.W.(King Most Wanted)」、ヒップホップのトラックに、歌の代わりにフルートの音色をのせたクールな「HAN-TO[ ̄]ME[ ̄]」など、ヒップホップ・ファンばかりではなくポップス・ファンにもアピールすること間違いなしですが、極めつけは「KONOSORA NO ARUAI NI」。メロウなトラックにスマートなヴォーカルがのる、こみあげ系の名曲。ピーター・ゴールウェイなどを思い出す部分もあるのですが、とにかくこれはメロウ・ソウル〜AORが好きな人なら文句なしの出来です。