銀河鉄道 / 銀河鉄道
- アーティスト: 銀河鉄道
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 2002/01/23
- メディア: CD
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銀河鉄道というのは1971年頃からの数年間にわたって活動していた、アメリカのSSW(シンガー・ソングライター)に影響を受けたフォーキー・ロック・バンド。アルバム1枚とシングル数枚を残して、大して世にしれることもなく消えていったバンドですが、数年前の喫茶ロックという再発シリーズにおいて、オリジナルアルバムだけでなく未発表となっていたセカンドアルバムもCD化されました。
プロデューサーが柳田ヒロということで、まず思い浮かべるのははっぴいえんどのこと。はっぴいえんどというか、エイプリルフールですね。銀河鉄道のメンバーもインタビューにてはっぴいえんどを意識していたと語っていますが、別にコピーバンドといった感じではなく、「俺たち醒めてたよ。ちょっとでも似てるとじゃあ止めようって」と語っているとおり、自分たちの道を進もうとする努力が感じられます。
最初に聴いた銀河鉄道の曲は「想い出してごらん」で、これは初期サニーデイ・サービス(「青春狂走曲」など)を思わせる軽快なアコースティック・グルーヴが心地よい名曲です。ただ、全体としては必ずしもサニーデイ・サービスっぽい雰囲気ではありません*1。「Neil Youngを聞いたらぼくのこと思い出して」という歌詞があるように、アメリカのシンガー・ソングライターを意識したジェントルなメロディー*2を持つ曲ばかりで、それらに細野晴臣周辺の音楽に特徴的な日本流アメリカン・ロック*3のアレンジが施され、ひどく耳あたりが良くなっています。こうしたアレンジに銀河鉄道のメンバーは少なからず不満を抱いていたようで、セカンドアルバムではより自分たちの理想がサウンドに反映されているのですが、それはまあ別の話です。
「唄をひとつ」はアレンジによるところも大きいのですが、かなり小坂忠に近い音世界です*4。「ポカポカ陽気に」はいかにも日本的なカントリーロックで、この日本的な部分が銀河鉄道のメンバーたちには不満だったようですが、しかしこれはこれで明るくも郷愁を誘う素敵なナンバーです。中川イサトさんや五つの赤い風船('75のアルバム)が好きな人はきっと気に入るはずです。全体的にアコギが印象的で、初期のジェイムス・テイラー的な細野晴臣の音作りが好きな人は、買って損はないと思います。