すきまから

なんというか、ぎゅうぎゅうに詰まったものよりもすきまのあるものが好きで、それは閉所が苦手という性格(恐怖症ではないですけど)に関連するものなのかどうかぼくには判断が付きませんが、しかしすきまが好きという意識はそれなりにあります。

音楽に関しても同じようなことが言えて、すきまのない音楽は苦手です。すきまがなくても好きになれる音楽も存在しますが、でも繰り返し聴くには耐えないですし、特に密閉された空間でそれを聴かされると参ってしまいます。たとえば、音楽はわりと好きなのに宇多田ヒカルの音楽を車で聴くとぼくは必ず車酔いしてしまうのですが、それはすなわち彼女の音楽にすきまがないからではと思ったりします。

昨日中村まりさんのライブを聴いていて思ったのはちょっとすきまが少なくなったかなということで、ぼくが前回初めてライブを見に行った4月(こういう時はてなダイアリーは便利だなと感じます。いついったのかすぐ思い出せる…)と比べて、音響の影響なのかアレンジの影響なのかヴォーカルの変化によるものなのか、とにかくよくは分からないのですが確かにすきまが少なくなって、今まで以上にライブハウス内に彼女の声や音楽が充満しているように思われました。ふっと空気が緩む瞬間とか、個人的にはそういうものを居心地がよいと感じるのですが、そうではなくて今は密度を高くしてしっかりと聴かせてくれているんだなあと感じたりもしました。(誤解しないでもらいたいのは、これは単にぼくの変な嗜好が問題なだけであって、彼女のステージは相変わらず素晴らしいものですし、昔よりさらに今の方が良くなっていると考える人も大勢いると思います)

何が変わったのかというとうまく答えられませんが、声は以前よりほんの少し力強くなっていた気がします。ライブなどの経験を重ねれば自然とそうなっていくものでしょうし、それが成長というものなんでしょうね。