fishing with john / 鈍行ブックモービル

鈍行ブックモービル

鈍行ブックモービル

kissheeさんが絶賛していたので(id:kisshee:20051021#p2)いつか聴いてみようと思っていたのですが、ようやく聴くことが出来ました。普段はファーストアルバムから順に聴いていこうとするぼくがこのセカンドアルバムから聴いたのは、そのタイトルによるところが大きいです。「鈍行」って素敵な響きではないですか。「鈍」という字がかくも美しくなるものかと、「鈍行」という言葉を見るといつも不思議に思うのです。というのは単純に鈍行列車が好きだからで、どれぐらい好きかというとここ3年ほど実家に帰るときは常に各駅停車を使い、新幹線や特急列車にはまったく乗っていないというぐらい好きなのです。でも、最近、こういう風に鈍行列車に乗って移動する余裕をいつまで持ち続けられるのか、不安に思うことが増えました。

そういう不安を軽く流してくれる、アコースティックギターを中心とした美しい音の重なり。この音の心地よさは、鈍行列車の窓から吹き込む風に似ているかもしれません(タイトルから勝手にこじつけているだけと思われるかもしれませんが…)。陽気も黄昏も爽やかさも切なさも含んだ『鈍行ブックモービル』の音は、鈍行列車の開け放たれた窓にいろいろな思い入れのあるぼくにとっては至福の音でした。