海でイルカを探す

Fred Neilの「Dolphins」という曲が好きです。もともとフォーク・リバイバル以後のフォークの新世代(Fred Neil, Eric Anderson...Tim Buckleyなんかも入るのかな)が大好きなのですが、中でもEric Andersonの「Violets Of Dawn」とFred Neilの「Dolphins」は別格です。

Dolphins」はゆったりとして美しいメロディーももちろん好きなのですが、それを引き立てる歌詞が最高です。歌詞は大まかに言って、穏やかで平和な世界や日々の夢想、海でイルカを探し続けているといういささか唐突な告白、「時々ふと思う 君がぼくのことを想ってくれることはあるのだろうか」という私的な独白の3つに分かれています。これらがまるで夢のように、つかず離れずの緩やかな連関を保ちながら繰り返されていくあたりにこの曲の魅力が表れていて、ドリーミーという言葉はこういう曲のためにあるんだなあなどと考えたりします。

ちなみにこの曲には多くのカバーがあります。Tim Buckley、Linda Ronstadt、Eddi Reader(Fairground Attraction)、Dionなどですが、中でも素晴らしいのはMFQのCyrus Faryarのバージョンで(リンダ・ロンシュタットなんかはちょっと余韻が足りないかな)、彼のドリーミーな資質が曲の世界観とマッチしています。この曲を聴く機会があればぜひ歌詞カードを片手に聴いてみてください。