中川イサト / 1970年

1970年

1970年

中川イサトというとアコースティックギタリストとして高い評価を受けていますが、ぼくの興味は専ら初期のアルバムに向かっていて、名作との評価も高い『お茶の時間』や村上律と組んだカントリータッチの『村上律と中川イサト』、大塚まさじ五つの赤い風船つながりの金森幸介らとのライブの模様を収めた『鼻唄とお月さん』といったアルバムは比較的聴きますが、他のアルバムはそれほどでもありません。

『1970年』は中川イサトのファーストアルバムです。西岡たかし宅で録音されたという歌と演奏はとても繊細で、後に心地よい余韻を残していきます。ストレートに感情に訴えかける音楽ももちろん好きなのですが、余韻を楽しめる音楽にはまた格別の味があって、就寝前に椅子にもたれてぼんやりしながら聴くのが日課の一つとなっています。