ジミー・ロジャース

Jimmie Rodgersという人は本当に素敵な声の持ち主で、彼の代名詞ともなった「ブルー・ヨーデル」シリーズの美しさといったらないですが、この「ブルー・ヨーデル」という言葉はなんとも絶妙に彼のヨーデルのニュアンスをすくい取っています。ブルー・ヨーデルの端緒となった「T For Texas」や「Mule Skinner Blues」で聴かれるヨーデルには、根無し草の気ままさと一抹の寂しさが同居しているようで、ただただ聴き惚れるのです。「カントリーの父」とも呼ばれる彼のヨーデルがカントリー音楽に与えた影響というのはもちろん大きくて、巨人ハンク・ウィリアムスなんかも大いに影響を受けているのだろうと思いますが、Jimmieの歌にはハンクによるヨーデルの名唱が聴かれる「Lovesick Blues」(これも本当に素敵な曲)などともまた違った趣があります。Jimmie Rodgersの歌は、どこかホーボーに通ずる軽さと物悲しさがあって、ぼくなんかは何か解き放たれたような気分になります。そういえばマイケル・ネスミスがカバーしていた「Prairie Lullaby」のオリジナルも言葉を失うぐらい素晴らしいのでした。

ところで話は変わって、今日気付いたのですが、リチャード・ブローティガンの『芝生の復讐』が出ています。明日さっそく買いにいきます。