Linda Rich / There's More To Living Than I Know So Far

普段よく行く新宿ディスクユニオンのルーツ&トラディショナル館が閉店するということだったので、最後に買い物に行ってきました。SSWや自主盤系、それにトラディショナルからカレッジフォークまで幅広く取りそろえられていて定期的に立ち寄っていたのですが、しかしもうこの辺の音楽を専門的にやっていくのは難しいのでしょうねぇ。

とか思いつつ、ほとんど商品の置かれていない棚をみていたら、Linda Richのアルバムが出ていました。ずっと前から欲しかったアルバムなのですが、アナログは結構な値段なので買わずにいたものです。いやはや、最近の韓国レーベルの再発ラインナップは本当に凄いですね。(他にもBob PattersonとかClearingとかBarbara Sippleなんかをまとめ買いしました。)

Linda Richは1970年前後に主に教会などで歌い、また歌を教えたりしつつ、3枚のアルバムを吹き込んでいます。クリスチャンフォークということで、もちろん「God」「Jesus」についての歌もあるのですが、神様一辺倒というわけではなくて、もっと個人的なことも歌われています。何より彼女のソングライティングと、まっすぐブレのない歌は圧倒的です。儚くも、凛とした美しさがあり、Judee Sillなどに比べても少しも見劣りしません。本当にこんなに素晴らしいアルバムが埋もれていたとは信じられないですね。

今回の再発にあたって、ライセンスは彼女の弟さんから取得しています。これには事情があって、海外のブログで彼女のアルバムが紹介された後、彼女に歌を教わったり彼女の歌を聴いていた人たちが感謝や消息についてのコメントを寄せていたところに弟さんがコメントを寄せ、Lindaが1970年代初めからずっと行方不明なので消息を知っていれば教えて欲しいということ、そして3枚のアルバムをCDに落としたので無料でみんなに配りたい、みんなで共有してもらいたいと考えていることなどを伝えました。最終的に韓国のレーベルからも発売されましたが、これはいろんな人に聴いてもらって、少しでも彼女の消息を得たいという考えがあったからでしょう。(ライナーノーツにも行方不明であることと、消息の連絡先が書かれています。)

http://waxidermy.com/2006/05/22/linda-rich-theres-more-to-living-than-i-know-so-far/

上記のブログでこのアルバムの全曲を聴くことが出来ます。(彼女の弟さんのコメントもあります。)