東北旅行

今年は夏期休暇を分けてとることになったので、2日の休暇と土日をあわせた4連休で旅行に行ってきました。大学を卒業してから、友人と海外旅行に行ったりはしていたのですが、ひとりで国内を旅行するのは4年ぶりです。前回は学生だったので1か月ぐらい旅行してましたが、それに比べると今回は車中泊も含めて4泊。こればかりは仕方ないですよね。

ひとり旅の良いところは目的を決めずにふらふらできるところで、ぼくには、目的や行程を最初から決めてしまう旅行というのは、楽しいか楽しくないかというのは脇に置いても、それはもう遊びではないように思えます。

以前読んだ保坂和志さんの『途方に暮れて、人生論』(id:colourless:20081019#p1)に、行為に対して結果が問われるものは遊びではなく労働だ、という趣旨の文章があり、まったくその通りだと共感を覚えたことがあります。では遊びとは何かというとそれは偶然に対する驚きを楽しむことだとぼくは考えていて、せっかく旅行に行く時間や機会があるのに、偶然性をわざわざ放棄してしまうのは勿体ないと感じてしまいます。(偶然ということについては、九鬼周造の著作が考え方の整理に役立ちます。)家族や恋人や友人と一緒に旅行に行く場合は、そもそも一緒にどこかに行くということが第一にあるので、遊びではなくてもそれはそれで楽しいですが、たまには偶然に身を任せた遊び第一の旅行をしたい!ということで行ってきました。


■初日〜夜行列車で新潟に

日程に余裕がないので、はじめて夜行列車を利用しました。いや、よく考えると初めてではなくて、学生時代はサークルで何度かブルトレを利用しましたし、前回東北〜北海道を旅行したときもはまなすを使っていました。仕事が全然片付かないものの途中であきらめて早く引けて自宅に戻り、支度をして新宿駅へ。電車に揺られて明け方5時頃に新潟着。


■2日目〜羽越本線から五能線

旅行に行くときは、だいたい目的地を決めずに出かけるので、今回も新潟からどこに出かけようかと少し考えた後、東北方面に向かうことにしました。日本海が好きなので、日本海に沿って富山や福井方面に向かうのも悪くはなかったのですが、やっぱり東北が好きなんですねぇ。

前回の旅行と違うのは、今回は折りたたみの自転車を持っていったこと。(普段使っているクロスバイクを持っていこうかとも考えたのですが、大きさやタイヤの脱着の手間を考えて折りたたみ自転車にしました。)これが大正解で、今までは駅周辺、半径にして10キロほどの範囲をうろうろするだけだったのが、一気に行動範囲が広がり30キロ程度の移動は全然苦にならなくなりました。

酒田駅東能代駅で待ち時間があったので海を目指してうろうろ。曇り気味の天候でしたが、日本海は曇ってるぐらいがちょうどいいですよね。

あきた白神に温泉があるので、その温泉に入って近場で眠ろうかと考えていたのですが、夕暮れが近付いてくると海岸に出たくなり、一駅手前の滝ノ間で下車。自転車があると思い切りが付くので、本当に良いです。

曇り空に夕日が隠れる。でも日本海を眼前にするだけで満足。

高台に女神像のようなものがあり、日が暮れるまで休憩。

あきた白神で温泉に入った後、駅のベンチで眠ることにしました。道を挟んで向かいにオートキャンプ場がありましたが、駅の近くには家影もなく、人の来そうな雰囲気もないのであまり迷惑もかけないかなと。しかし蚊に悩まされ、結局隣にある屋根の付いた歩道橋に張り出した部分があったので、そこで眠りました。そういえば前回の旅行中に富良野に立ち寄ったときも同じような歩道橋があって、沖縄から来て旅行中だという人と仲良くなって一緒に野宿&富良野巡りをしたのですが、さすがに今回は誰もおらず。


■3日目〜五能線

十二湖の青池を見に行こうかと思ったものの、あいにくの曇り空(青池というのは、日が差すと本当に青インキをたらしたような色に見える池なのですが、前に訪れたときも微妙な曇り空でした。)なので十二湖駅では下車せず、どこで降りようか迷った末に不老ふ死温泉のある艫作で下車。それにしても曇り空の日本海の素晴らしさ。

不老ふ死温泉に入った後、電車が全然ないので艫作から岩館まで約30キロを海岸沿いに走りました。さすがに折りたたみ自転車で海岸線のアップダウンはしんどい。電車を待つ時間、岩館の海水浴場で、読書をしていたら、曇り空で過ごしやすかったせいか気付いたら眠り込んでいました。曇り空でも結構日焼けするもので、腕が焼けるように痛みます。

ところで、その後八郎潟(ここでも昔駅前で一晩過ごしたことがあります。)で下車し、大潟村にあるという温泉に向かったのですが、せいぜい数キロ走れば着くだろうという目論見で走り出したものの、調整池にかかる橋を越えた辺りに温泉まで約13キロの看板が。(1.3キロの間違いじゃないかと何度も見返しました!)引き返そうかと思ったものの、橋の上では工事の関係で交通整理のおじさんがいて、なんだかさっき通ったばかりなのにもう引き返していくのも気恥ずかしいと思い、調整池と平行して農免道路があったのでそこに沿って別の橋を渡って帰ろう、と思ったのが運の尽き。全然隣に橋なんてなく、10キロばかり走り続けてようやく農免道路を抜け出した頃には男鹿市に入っており、奥羽本線から大きく外れてしまっていました。何より農免道路は左右を草木に囲まれたひたすら真っ直ぐの一本道で、ときおり干拓地の内側に入っていく道があるぐらいなので精神的に凄く参ります。というか、ぼくは堤防のような人工物に囲まれた水地(漁港とか)が苦手というかちょっと怖いので、調整池も不気味で心細かったです。しかもときどき雨がぱらついていましたし。音楽なしでは無理だと思って途中からずっとSammy Walkerの音楽を聴いていました。


■4日目

南鳥海から酒田まで田園の中を移動。さすが米どころというか、どこを見ても稲、稲、稲。この日は快晴で、前日の日焼けがさらにひどいことに。色白なので日焼けに対する耐性がなくて、真っ赤になるんですよね。

この日は新潟への電車移動が主で、新潟発の夜行列車で翌朝新宿に戻ってきました。