Gang Of Four / Entertainment!

Entertainment!

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ストパンクというのは「パンク後」という名前の通りなんだか漠然として捉えどころがなくて、どうせならもう全部ひっくるめてニューウェイヴでいいよと思ったりします。ニューウェイヴの中でもロック色が強いのがポストパンクでしょうか。

ストパンク期のバンドの中でも、ぼくはこのGang Of FourとかBow Wow WowとかOrange JuiceとかJosef Kとかいったバンドが好きで時々聴いたりします。こういったバンドはまさに「ポストパンク」というか、パンクを引きずっているところが気に入っているのです。

彼らの音楽に共通している(とぼくが思っている)のは、パンクのシンプルで直情的なサウンドでは解消しきれない鬱憤です。パンクというのはシンプルでノリも良いので鬱憤を晴らし解放感を得るにはもってこいの音楽なのですが、ノリ重視のシンプルさゆえに繰り返し聴いていると飽きてしまい、耐性がつくというかだんだんそれでは鬱憤を晴らせなくなり、抑圧を抱え込んでいくことになります。そうしたパンクの限界に対する焦燥感が、ひりつくような痛みを感じさせてとてもかっこいい…のが最初に名前を出したようなバンドです。

Gang Of Fourというとひどくベタですが、なんといっても「Damaged Goods」で、エッジのきいたギターが印象的なイントロを聴いただけで感情が高ぶるのをとめることができなくなります。あるいは「Natural's Not In It」にしても「Return The Gift」にしても、またその他の曲にしても、剃刀のようなという喩えがぴったりくるような硬く鋭い音を聴かせてくれますね。