空中キャンプ / フィッシュマンズ

空中キャンプ

オレンジレンジという、自称音楽ファン*1の嫌いそうな存在を下で取り上げたので、なるべくアンチのいなそうなアルバムを中和剤として紹介してみる。フィッシュマンズ。有名なんだけど超有名ってわけでもないせいか、フィッシュマンズを悪く言っている人はあまり見かけない。パクリつながりでフリッパーズ・ギターを取り上げてみても良かったのだけど、こっちは賛否別れるというか、嫌いな人も結構いそうだ。

思わず吹き出してしまいそうな、空中を散歩するジャケット。ジャケットと絡めると宙を漂うような浮遊感と表現した方が良いのだろうか。でも僕が受けた印象は空中を漂うそれとはちょっと違う。空中ではあまりにも日常的すぎて、日常と非日常が奇妙に同居する『空中キャンプ』のイメージとは少しかけ離れてしまう。どちらかというと、水中を静かに流れていく感じ。水を伝わる音が、耳の奥で静かに響いている感じ。騒がしいのに静寂が広がっている感じ。抽象的すぎかな。ダブポップとかレゲエだとか、そういう枠では語りきれないほどの広がりを秘めているアルバムだと思う。

*1:ええ、皮肉ですとも。