STEP you/is this LOVE? / 浜崎あゆみ

STEP you/is this LOVE?

STEP you/is this LOVE?

またコメントしづらいシングルを借りてしまったかな、という印象。両A面という言葉が何か宙に浮いている感じもしますね。

まあ批判する人も多いですが、浜崎あゆみがここ5、6年日本の音楽シーンのトップを走ってきたのにはそれなりの理由ってものがあったように思います。歌詞であったり、その歌声の存在感(歌唱力の問題とは全く別の次元で)であったり。

でもこのシングル…というかここのところ出すシングルはいまいち存在感がない。「STEP you」はキャッチーなサビが印象に残るダンス・トラックで、確かにCMなどで使う分には悪くないのですが、それ以上のものは何も残らない感じです。オリジナリティの基礎となった歌詞もここではどうも耳に残りません。そう感じるのはぼくだけ、というのでもなさそうですが。

よりロック色を強めた「is this LOVE?」はまだ救いがある感じですが、しかしこちらも印象が薄い感は否めません。両A面とはいうものの、両面(CDだから片面なんですけど)合わせてようやく昔の彼女のA面クオリティ、というと言い過ぎかもしれませんが。

別に嫌いだからこういう評価をしているわけではなく、パフォーマーとしての彼女はまだまだ可能性を秘めていると思いますし、そのためには多少リスナーが戸惑うぐらい音楽性を変えてみるのもありだと思います。ぼくもただちょっと戸惑っているリスナーの一人なのかもしれませんが、ただこのシングルに対する情熱とか思い入れが感じられないのは気になりますね。ナット・キング・コールの"LOVE(BOSS)"をあんなに魅力的に歌っていた彼女はどこへ行ってしまったのかと、少し寂しい気持ちにさせられました。今後に期待。