青春歌年鑑'60

青春歌年鑑 1960 TOCT 10844

青春歌年鑑 1960 TOCT 10844

ちょっと間が空いたのでどんな感じで書いていいのかよく分からなくなっています。明日は久々に何かレンタルしてこようかとも思うのですが、雨が降っているのはちょっと嫌ですね。ということで今日はさらりと。

青春歌年鑑は1960(1950)年代から1990年代まで、時代を彩ったヒット曲を年代別に編んでいった人気コンピレーションです。若年層が音楽にかけるお金を削る傾向にあるので、最近はレコード会社もあの手この手で中高年層の需要喚起に躍起ですね。

1960年、まだまだ日本のポップスは海外のヒット曲を日本語で歌ったものが多く、「ステキなタイミング」「恋の片道切符」「ビキニスタイルのお嬢さん」などオールディーズの定番曲のカバーが並んでいます。現在のポップスと比べ厚みのないサウンドにぎこちのないヴォーカルをチープだと笑い飛ばすことは簡単に思えますが、しかしそれでも愛おしいのは単なるぼくの懐古趣味によるものではなくて、やはりこれらのポップスには時代を超えて愛される何かがあるんですよね。音質や歌唱力(あ、別にこの頃の歌手に歌唱力がないという意味ではないです。歌唱力とは何なのかを改めて考えさせてくれる、歌のうまさを持つ歌手が多いですよ)、楽器、演奏の緻密さというものは、確かに音楽を楽しむ上で重要な要素となるのかもしれませんが、でも本当に人を(と一般化するのがまずければ「ぼくを」と言い換えてもいいです)感動させるものは実はそんなところには無いように思えます。

坂本九水原弘、平尾昌晃ら、この時代を代表する歌手の曲が収められていて、まだまだ苦しい中にも将来への希望を強く持っていた世相を反映した曲が多いです。「上を向いて歩こう」がヒットする前の坂本九の「すてきなタイミング」は海外のヒット曲のカバーですが、陽気なメロディーと坂本九の軽妙な歌がとても魅力的です。平尾昌晃の「恋の片道切符」(オリジナルはニール・セダカ)なんて途中から英語(日本語的な発音)で歌っていたりして、そのいい加減さがまた素敵です。今の音楽はみんなきまじめに考えすぎていると思うので(それが悪いわけではないですが)たまにはこういう曲を聴いてみるのも新たな発見があって面白いかもしれないですね。