五つの赤い風船/西岡たかし / CD-BOX

西岡たかし・五つの赤い風船 CD-BOX

西岡たかし・五つの赤い風船 CD-BOX

思い切ってこの5枚組のボックスセットを買ってよかったなあと、これを聴き返すたびに思います。購入してからもうたぶん2年ぐらいになりますが、五つの赤い風船が好きだという気持ちは高まるばかり。高校の頃から家にあったレコードを良く聴いていたのですが、こうして五つの赤い風船〜西岡たかしのヒストリーを振り返ることが出来るのはありがたいです。今度はぜひ藤原(東)秀子さんのソロも含めたコンプリートボックスを希望!!10枚組ぐらいでも絶対買います。

日本のフォークというのは季節感が豊かで、と断言してしまうのは良いことなのかどうか分かりませんが、このボックスセットにも「夏」(「夏」なのに秋っぽい曲です。林立夫がドラムを叩く大滝詠一のバラード作品みたい)「秋」といったそのものズバリのタイトルをした曲や、「春には一つの思い出を」なんて曲が収められていたりして、季節に応じて聴き分けていたりします。

今の季節に良く聴く曲はというと、なんと言っても西岡たかし(風船のリーダー)の「風博士」です。秋を思わせる風景が歌い込まれたこの曲は、木枯らし調のメロディーと秋風を思わせる女性コーラスが軽快でありつつもどこか寂しげで、いい雰囲気です。こういう音楽を作ることのできる人が少なくなってしまったのはちょっと残念で、影響を受けたかどうかは別として五つの赤い風船の流れをくんでいるミュージシャンというとぼくはすぐ“ゆず”を思い出すのですが、彼らにしてもちょっと応援歌的な雰囲気が強くてあまり季節の移ろいとともに楽しめる音楽ではありません(ゆずは大好きですけどね)。

話は逸れましたがもう1曲この季節に良く聴く西岡たかしの曲があって、それが「かえり道(秋風・夕暮れ・春)」という曲です。ギターの弾き語りで歌われる寂しげな曲で、秋と言えば寂しいものだという思いこみもちょっとどうかとは思うのですが、でもやはり秋を感じさせてくれる素晴らしい曲です。ありがちな感じですがセンチメンタルな歌詞も好きです。「僕」を「ボク」とするのはあまり好きではないですが、でも「ボク」を見るとああ西岡たかしだなあと安心してしまうのがちょっと可笑しいですね。