The Co-op - Fast Folk Musical Magazine (Vol. 1, No. 5)

http://www.folkways.si.edu/search/AlbumDetails.aspx?ID=34

『The Co-op』は1982年から1997年まで発刊されていた音楽付きの雑誌で、フォークミュージシャン〜シンガーソングライターたちの共演の場として、あるいはデビューの場として活用されていました。

この『Vol. 1, No. 5』は、ぼくのような人間にはピーター・トークが参加している盤というイメージがやはり強いのですが(トラッドの「I Truly Understand」を歌っていて、特にうまいわけではないけれど、フォークシンガーとしての面目は保っていると思います)、実はそのほかにも魅力的な曲がたくさんあります。

たとえばスザンヌ・ヴェガの「Gypsy」は、70年代の素朴な雰囲気を残した美しいアコースティックナンバーで、一度聴くともう一度、もう一度と繰り返し聴いてしまいます。「Gypsy」という曲は、彼女の2枚目のアルバムである『Solitude Standing』でも取り上げられていて、それはそれで美しい曲なのですが、サウンドがやや新しくなったぶんだけ素朴さが後退して、この最初期の録音には到底かないません。

デイヴィッド・ロスの「Norman's Way」もやや小粒ではありますが感傷を誘う素敵な曲ですし、素人っぽさの残る「Regretting What I Said」も渋めの「The Whitsun Dance」も魅力的です。

以前は手に入れるのもそう簡単ではありませんでしたが、今はFolkwaysがカタログを整理して、リリースしています。それにしても本当にFolkwaysは素晴らしいレーベルですね。こういうレーベルが、いつまでも存続していくことを願ってやまないです。