フォーク・ミュージックU.S.A.

読書というのではなくて、ディスクガイドなのですが。1ヶ月ほど前だったか、ディスクユニオンに立ち寄って、このディスクガイドを目にしたときには、本当に驚喜してその場で買い求めました。

というのも、このディスクガイドに出会うまでは、まともな米国フォークのガイドブックは皆無という状態で(ぼくが知らなかっただけかもしれませんが)、フォークを取り上げた本があるかと思えばディランやPP&Mを少し取り上げて、あとはエレキ後のディランやバーズなどのフォークロックの記述が大半を占めていたりして、何というか嘆息することしきりだったのです。(ディランもPP&Mも大好きですが、でもフォークをもっと知りたいという気持ちを満たしてくれるものはありませんでした)

本書もディランとの関連で読むことができるよう工夫されているとのことなのですが、どこを読んでもディラン、ディランというのではなくて、民謡蒐集の時代からフォーク(カントリー)ブルース、フォークリヴァイヴァル、モダンフォーク(コーラス系)、SSWへの過渡期のフォークやフォークロックと、体系的にアメリカンフォークを知ることができます。ディスクガイドではありますが、各章のイントロダクションにおおまかな時代の流れが紹介されているので、それぞれのつながりも理解しやすくて評価できます。

もっとこういうアメリカンフォークを取り上げた本が出て欲しいという気持ちもありますが、とりあえずは決定版と言えるものが出て、喜ばしい限りですね。