Peter, Paul & Mary / Reunion

Reunion

Reunion

PP&MのMary Traversが亡くなりました。数年前に白血病を患って、それでも時々チェックしている公式サイトで病気を克服したという知らせが載っていたので安心していたのですが、高齢ということもあり、治療の副作用などの影響があったようです。

個人的な話をすると、ぼくが意識的に音楽を聴くようになったきっかけはPP&Mで、中学に入った頃に家に置いてあった廉価版のベストセレクションのうち、「If I Had A Hammer」とか「Blowin' In The Wind」とか「Cruel War」とか「Tell It On The Mountain」とかいった曲を延々と聴き続けていました。

Reunion』は、1970年に一度解散したPP&Mの3人が再び集まって録音したアルバムです。解散前のPP&Mは、3人の声がそれぞれ個性の際立った3声のハーモニーを聴かせていましたが、成熟というのか、このアルバムでは一つに融けあった柔らかなハーモニーを聴かせたり、あるいは交互にヴォーカルをとるスタイルが多くなっています。

彼らの代表曲である「Puff(The Magic Dragon)」を彷彿させる「Unicorn Song」や、Maryの独唱が美しい「I Need Me to Be for Me」、Maryを中心に穏やかなハーモニーを聴かせる「Sweet Survivor」など、ただの「同窓会」アルバムに終わらない、1960年代に録音された楽曲にも劣らない素敵な歌を聴かせてくれます。

Mary Traversの訃報を目にして、最初に思い出したのがワシントン大行進の際にPP&Mが歌った「If I Had A Hammer」と、このアルバムに収録されていた「Forever Young」で、「Forever Young」はもちろんボブ・ディランの名曲のカバーです。子(ディランはジェイコブを思って作ったのかもしれませんが)に向けて歌われるような内容ですが、公式サイトなどから届けられてきたMaryのこれまでの活動を考えると、Maryの人生というのは、まさにこの歌の通りだったのではないでしょうか。

あなたの心がいつも喜びで満ちていますように
あなたの歌がいつも歌われていますように
そしていつまでも若くありますように!
May your heart always be joyful
May your song always be sung
And may you stay forever young.

「Forever Young」