湯川潮音 / 雪のワルツ

雪のワルツ

雪のワルツ

ということで一足早く冬気分なので、今日は湯川潮音さんの『雪のワルツ』を聴いていました。季節的なものもあるのか、先週はほとんどPolarisフィッシュマンズとこのアルバムしか聴いていませんでした。

アルバムのタイトルにもなっている「雪のワルツ」は三木鶏郎さんの作品です。三木さんというと「僕は特急の機関士で」の印象がすごく強いので、最初この曲がオリジナル曲ではなく三木さんのカバー曲だと知ったときはびっくりしました。昭和歌謡とひとくくりにするのも安直ですがそういう昭和のムードは薄く、むしろヨーロピアンな大貫妙子さんとか、品の良いKate BushとかVashti Bunyanという感じで、「木の葉のように」の方がまた懐古的です。愛らしい小品として埋もれさせるには惜しい「おしゃべり婦人」や、深いエコーのかかった美しい「知らない顔」、それに菅野よう子さん(少し前に彼女の書いた「創聖のアクエリオン」というアニメの主題歌が話題になっていたことがあって、その曲もポップで好きでした。)の「木漏れび」など、6曲のミニアルバムとは思えないぐらい聴き応えがあります。寒くて長い冬に一日だけ(「おしゃべり婦人」)穏やかな日があるという趣の、本当に冬にふさわしい、どの季節に聴いても素晴らしいですが特に冬になると格別の思いが浮かんでくるような素敵なアルバムです。

それにしても湯川さんの声はなんて魅力的なんでしょうか。一度ライブに行ってみたいですね。