リビング イン ハワイ / ぴちょんくん

リビング イン ハワイ ぴちょんくん音頭

リビング イン ハワイ ぴちょんくん音頭

手元にあるお気に入りのレコードに、ハワイのアマチュアミュージシャンを集めて制作されたコンピレーション『Home Grown』があります。地元のラジオ局が町おこしを兼ねて、バンドコンテストを行ったのがきっかけで、入賞者の曲を集めたアルバムを発売することになり、世に出たのがこの『Home Grown』シリーズ。最初のアルバムが確か1976年頃の発売で、売り上げもなかなか好調だったのかその後数枚(4枚、計5枚かな)のアルバムが制作されています。このシリーズ最初のアルバムには軽快なアコースティックギターとクールな口笛が印象的な、Country Livingの「Country Living Hawaii」という曲が収められていてこれが人気なのですが、他にもByl Leonard & Kapono Beamerの「Living in Hawaii」という曲も個人的にはお気に入りで、ざっくりとしたギターのカッティングと、ちょっとアシッドな雰囲気もあるハワイアンフォークな曲調がたまりません。

そんなわけで、ぴちょんくんが苦手なぼくも、「リビング・イン・ハワイ」という挑戦的なタイトルに惹かれて思わず聴いてしまいました。しかしこの曲が本当に素敵です。ヴォーカルもそうですが、ハワイアンフォークな曲調は、もしかするとフォーク・クルセダーズの「帰ってきた酔っぱらい」を意識しているのかもしれません。ウクレレとスティールギター、そして波の音のSEをバックにして流れてくる牧歌的なフォーク調のメロディーは、日が沈み、日中の熱も冷めて過ごしやすくなったハワイのビーチを思い起こさせる、最高のリラクシン・ミュージック。夜のビーチってなんだか素敵じゃないですか。とかまあハワイに行ったことのないぼくが言っても全く説得力がないわけですが、とりあえず夕暮れでもハワイのビーチは暑いよとかそういうツッコミは勘弁してください。

問題は、ぼくはやっぱりこういうヴォーカルというか声が苦手ということ。純粋なキッズヴォーカルというわけでもなさそうですし、フォークルのかの曲ほど吹っ切れたところがあるわけでもありません。ちょっと可愛い子ぶりすぎている感じで、聴いていて疲れます。リラクシン・ミュージックなのに聴いていて疲れるという矛盾。曲は素晴らしいです。アレンジも素敵です。ヴォーカルの方は好き嫌いが別れるでしょう。ただ、一度聴いてみても損はないと思いますよ。企画ものだと馬鹿にするのはもったいないです。

※アマゾンでは「ぴちょんくん体操」というタイトルになっていますが、「リビング・イン・ハワイ」の方がたぶん本当のタイトルです。