燃え殻 / 馬の骨
燃え殻/Red light Blue light Yellow light
- アーティスト: 馬の骨,堀込泰行
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2005/06/22
- メディア: CD
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キリンジがなかなか新作を出さないね、なんて言っていたら、弟の堀込泰行によるプロジェクト「馬の骨」がシングルをリリースしていたようです。しかも期間限定(今日までかな)で「燃え殻」のPVをフル視聴というので思わず聴いてしまいました。
キリンジが『ペイパー・ドライヴァーズ・ミュージック』でデビューした頃、ミュージックマガジン*1でキリンジのことが取り上げられていました。確か「キリンジとくるりに見る新たな日本のロック」みたいな内容で、ライターさんは女性の方だったのでたぶん岡村詩野さんだったと思うのですが*2、彼女がキリンジを評して「日本にもようやくスティーリー・ダンのようなグループが出てきた」と語っていたのがやけに印象に残っています。当時、ぼくはその言葉に違和感があったのですが、『3』辺りからのキリンジはまさにその言葉通りの方向に進んで、さすがだなあと考えさせられたりしました。
そんなこともあって、ぼくはキリンジといえば同時にスティーリー・ダンを思い起こし、スティーリー・ダンというと同時にキリンジを思い起こしてしまうのですが、この馬の骨のシングルを聴いた時にも同じような考え方をしてしまって、ああ、これってドナルド・フェイゲンが『Nightfly』を出したようなものなのかと感じてしまいました。一応補足しておくと、スティーリー・ダンというのは事実上ウォルター・ベッカーとドナルド・フェイゲンの二人によるユニット。1982年に二人はコンビを解消し、直後にフェイゲンがソロアルバムを発表した際には、「ウォルター・ベッカーには申し訳ないが、彼がいなくても十分なほど完璧なスティーリー・ダンのサウンド」みたいな意見もあったりしました。
長々と余計なことを書いてしまったのですが、でも今回の馬の骨のシングルも、それに近いものがあります。キリンジのヴォーカリストであり、フロントマンとも言える弟のプロジェクトなので、サウンドは基本的にキリンジの延長線上にあります*3。つまり、都会的で洗練されていて、計算し尽くされた完全無欠のポップス。どこを切っても…というアレですね。でも、それならなぜあえてソロプロジェクトでと最初は思ってしまったのですが、お兄さんの方もアルバム制作を予定しているらしく、仲の良い(はず)二人のことなのでソロ活動をスタートさせたからといって協力関係にひびが入るということもまずないのでしょう。それならば、それぞれがフレッシュな環境でのびのびとレコーディングをした結果どのような作品が生まれてくるのか、こちらも思いきり楽しませてもらうことにします。考えようによっては、二人がそれぞれアルバムを出したなら、普段の二倍楽しめるわけですから。そしてキリンジのアルバムもまたよろしくお願いします。
と、なんだか後半が全然まとまらなかったのですが。